涼太作
コロナは、私のライフスタイルを大きく変え、失望させ、可能性を奪ってしまいました。しかし、同時に多くのヒントも与えてくれました。
不確実性が嫌い、安定を好む私は、このような大きな変化に対応することができませんでした。パンデミックが始まった途端、精神状態が悪くなったり、やる気が出せなかったり、目的を見失ったり、現実から逃げたりしてしまいました。
今、私はその暗いトンネルから抜け出し、以前のような積極的な状態です。今回は、私をその暗闇から助けてくれた科学的根拠に基づく4つの方法をご紹介します。
1. 瞑想
瞑想は、心の健康を改善するために誰もができることです。特別な道具を使わずに、どこでもできるのです。
私はHeadspaceというiOSアプリを使って瞑想をしています。サブスクリプションサービスですが、さまざまなコースがあり、その日の気分や時間帯に合わせて選ぶことができます。また、睡眠の質や集中力を高めるコースもあります。
約1,300人の成人を含むメタ分析からすると、瞑想が不安を減少させる可能性があることがわかりました。特に、この効果が最も高かったのは、不安のレベルが最も高い人でした。
Orme-Johnson DW, Barnes VA. Effects of the transcendental meditation technique on trait anxiety: a meta-analysis of randomized controlled trials. J Altern Complement Med.
2. Exercise
運動することで気分が良くなり、不安や憂鬱な気持ちが軽減されます。
私は週2回、ジムでバーベルやダンベルを使って筋力トレーニングをしていて、週3回、気になるポッドキャストを聴きながらウォーキングをしています。
運動はストレスや不安を調節する脳の部分を変えます。また、セロトニンやノルエピネフリンに対する脳の感度を高めることで憂鬱な気分を和らげることもできます。
実際に、うつ病と診断された24人の女性を対象とした研究からすると、運動は憂鬱な気分が大幅に減少したことがわかりました。
Meyer JD, Koltyn KF, Stegner AJ, Kim JS, Cook DB. Influence of Exercise Intensity for Improving Depressed Mood in Depression: A Dose-Response Study. Behav Ther.
3. 食品
・脂肪分の多い魚
鮭などの脂肪分の多い魚にはオメガ3脂肪酸が多くて、うつ病のリスクを減らす可能性があります。
オメガ3脂肪酸は、体内に生成することができないため、食事で摂取しなければならない必須脂肪酸の一種です。そのため、私は魚を食べるようにしています。
魚が苦手なら、オメガ3サプリメントを利用することもできます。
研究結果はまちまちですが、ある臨床試験のレビューによると、魚油の形でオメガ3を摂取すると、うつ病のスコアが下がるという研究結果があります。
Yang Y, Kim Y, Je Y. Fish consumption and risk of depression: Epidemiological evidence from prospective studies. Asia Pac Psychiatry.
・ナッツと種
トリプトファン、亜鉛、セレニウムが多いナッツや種はうつ病をサポートする可能性があります。
トリプトファンは、気分を高揚させるセロトニンを生成するアミノ酸の一種です。アーモンドや、カシューナッツ、ピーナッツ、クルミや、カボチャの種、ゴマ、ヒマワリの種などが良いです。
ナッツは私の大好きな食べ物のひとつです。普通、朝食に50gぐらいのミックスナッツを食べます。
また、15,980人を対象とした10年にわたった研究によって、適度なナッツの摂取とうつ病のリスクが23%低下することが関連しているようです。
Fresán U, Bes-Rastrollo M, Segovia-Siapco G, Sanchez-Villegas A, Lahortiga F, de la Rosa PA, Martínez-Gonzalez MA. Does the MIND diet decrease depression risk? A comparison with Mediterranean diet in the SUN cohort.
4. 睡眠
メンタルヘルスの問題は、睡眠の質の低下や睡眠障害と強く関連しています。90パーセントのうつ病患者が睡眠の質に不満だと言われています。
睡眠は最も重要な活動です。質の高い睡眠をとるためには、寝る前に何をするかが大事です。
私は、睡眠時間を決めたり、寝2時間前から電子機器を避けたり、体温を下げたりするようにしています。また、寝ている間、ウェアラブルデバイスを着用して、睡眠を記録しています。
また、不眠症や閉塞性睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害がある人は、そうでない人に比べて、うつ病の発症率が高いと報告しています。したがって、この基本的かつ不可欠な活動にもっと注意を払うことは、確実に有益です。
Hayley AC, Williams LJ, Venugopal K, Kennedy GA, Berk M, Pasco JA. The relationships between insomnia, sleep apnoea and depression: findings from the American National Health and Nutrition Examination Survey, 2005-2008.
概要
4つのヒントを挙げましたが、何をすればよいかわからない場合は、「睡眠」「食事」「運動」に注目してください。これは最も重要なことですが、多くの人が怠っています。
不安は誰もが持っている問題です。この問題をうまく処理することは素敵なライフスタイルをつくるヒントです。