カテゴリー
Japan Life

私が留学を夢見てきた理由

オードリーさん作

違うところでで住む方が幸せになれるのでしょうか?  

海外留学はとても素晴らしい機会でワクワクすると同時に環境、言語、文化が完全に変わってしまうため不安でもあります。そんな状況にも関わらず私を含み海外留学に憧れ流学生は多々いると思います。私はインドネシアのジャカルタで育ちましたが、海外留学と言う夢は常にありました。多くの人は留学したい理由は「隣の芝生は青い」と思っているかもしれませんが、私はそうは思いません。私の本当の海外留学したい理由は「より良い場所」という単なる空想ではなく、留学に伴う課題を理解し、それに挑戦しようとする意志があるからです。

私は人生で何をしたいとか特に野心を持っていたわけでもないのですが、12歳になった時、事態は大きく変わりました。それは父の仕事の関係で、家族と私はジャカルタを離れ、シンガポールに移住したことです。私はこの時気持ち的に可も不可もなく、空港に向かい最中友人に「羨ましい!」と言うメッセージに戸惑いました。一ヶ月後、私は公立の中学校に入学しました。しかし、一つだけ大きな問題がありました。それは授業がすべて英語で行われていて私はほとんど言葉も話せない上、理解もできずにいました。授業を理解したり友達を作ったりことは、精神的にも肉体的にも疲れるものでした。初日の授業が終わった時私はあきらめたくなりました。家に帰りたい。自分の居心地の良い場所、母国であるインドネシアに帰りたいと強く思いました。 

その時私はふと友人が送ってくれたメッセージを思い出しようやく彼女の言葉の意味がわかりました。留学という贅沢は、誰にでもできるものではなく、私はそれを当たり前だと思ってはいけないことに気づきました。怠け者になってしまうと、後々後悔することになると思いその時から私はクラスメイトとの会話は基本的な英単語を使い思いつく限りの単語で会話をしてみようと思いました。幸いなことに、クラスの子達は理解してくれ、少しずつではありますが確実に会話ができるようになりつつ最終的には仲の良い友達になりました。さらに時間が経つにつれ、先生や教材を理解することもそれほど難しくはありませんでした。もしその日のうちに諦めていたら、一番大切な友達に会えず、貴重な学びを得ることはできなかったと思います。シンガポールでの生活は私に自立する方法を教えてくれ、インドネシアに滞在していたら見えなかったであろう全く違う世界を見ることができました。言語や文化の違いはより心の広い人間になるように導いてくれました。

2年後、私はインドネシアに戻りました。留学気分を味わった私は、もっと留学したいと思いました。しかし、現実は厳しい。インドネシア以外の国で学士号を取得するには、必然的に多額の費用がかかります。留学にかかる費用は管理費だけではなく生活費、交通費、健康保険料など様々です。特に親の収入が安定していないので、奨学金を探さなければなりません。少しでも多くの情報を集めるために、教育フェアやセミナーに足を運ぶのが毎月の日課になってきました。年月が経ち、私はあっという間に高校2年生になっていました。同級生のほとんどはすでに出願の準備を始めており、プレッシャーが私にかかっていました。数え切れないほどの教育フェアやセミナーに足を運んだにもかかわらず、皮肉なことに、私はまだどの大学に出願すればいいのかわからないままでした。私が聞いた大学は、大体奨学金を提供していないか、私が興味を持った専攻を持っていないかのどちらかでした。 

ある日、スクールカウンセラーの事務所に立ち寄ることにしました。私は、親に経済的な負担をかけたくないが、留学の夢を諦めたくないことを説明しました。そんな私の悩みを聞いてくれた先生が、TIUを勧めてくれました。奨学金があることや、デジタルビジネス&イノベーションという新しい専攻があることを指摘してくれました。私の目は希望と興奮でキラキラと輝き、夢に近づいたような気がしました。そこから先生が、私の高校の卒業生でTIUの1年生だった人を紹介してくれました。彼女は、TIUがいかに多様な人たちで溢れているか、また、どのようにして世界中の人たちとつながりを持ち、協力していくことができたのかを説明してくれました。彼女の体験談を聞くことで、TIUでの学生生活をイメージし、決断することができました。しかし、私がTIUを選んだ理由はそれだけではありません。

TIUに出願を申し込む前に、2019年に家族と日本へ小旅行に行きました。それ以来、日本は私の心に忘れられない思い出を残しています。鮮明な思い出の一つは、成田空港に初めて降り立った時、入国審査官が笑顔で「Selamat Datang」(インドネシア語で「ようこそ」という意味)と言ってくれたことです。これはインドネシア語で「ようこそ」という意味で、小さなことでしたが、心のこもったジェスチャーで、私は本当に歓迎されていると感じました。5泊しか滞在しませんでしたが、日本人は親切なジェスチャーをしてくれたり、ルールや規則を厳守していたり、相手を尊重してくれたりと、多くのことに気づかされました。TIUでの勉強を通して、このような日本社会のポジティブな特徴を学び、取り入れていきたいと思っています。 

人生は短い、だからこそ最大限に活用したい。特に今回のCOVID-19のパンデミックからは、あっという間に1年が過ぎてしまうことを実感しました。残念ながら、このパンデミックの中での旅行は危険なので、最初の学期はTIUで過ごし、オンラインで授業を受けなければなりませんでした。夢は延期になってしまいましたが、TIUと日本が私に何を与えてくれるのか、今でもワクワクしています。どこか他の場所に住むことで幸せになれるかもしれないし、そうでないかもしれないし、誰もが幸せになれるわけではないということを覚えて欲しいです。留学したいと思う理由は数え切れないほどあるかもしれませんが、それには犠牲が伴うことも忘れてはいけません。最後に、決して他人と比較せず、自分のペースで夢を追いかけてください。